エッセイ 考え方

勉強ができない彼が薬剤師になれた話

投稿日:2020-09-22 更新日:

小学校1年の頃、彼の周りにはもうすでに『頭の良い』と言われるやつがいた。

計算ドリルを解くのも速いし、授業中よく手を挙げるそんなやつ。

そうではない彼は、ただ友達に会うためだけに登校している普通の少年。

成績はよく言って平均。好きな教科は体育。

その頃から読書が苦手で、国語が嫌い。

算数は嫌いではなかったが計算が遅い。

友達が通っていたので通い始めた『くもん』では、友達が掛け算、割り算に進んでいく中、彼はずっと足し算、引き算から進めずにいた。

だからやめた。(やめさせられた)

 

 

こんな彼の小学校での勉強のできないエピソードは、

  • 算数の授業で計算ドリルを解くときは、クラスではほぼ毎回ビリ。周りから「まだやってるの?」「遅っ!?」「早くしろよ〜」など周りからバカにされていた。
  • 国語の授業での音読は、読むのが下手で遅い。読めない漢字が多い。笑われた。
  • 夏休みの宿題、読書感想文、自由研究などの宿題はまともに終わらせたことがなく、毎回うやむやにして切り抜けていた。

そんな、一般的に勉強ができない。できの悪い小学生だった彼。

親に宿題をやれと言われると意地でもやらない、あまのじゃく。

勉強より遊びを優先、集中力はなし。

その頃はテストの点数が悪くても、再試験もないし、進級できないこともなかった。小学生は気楽だ。

勉強というものは得意な人がいて、不得意な人も普通な人もいる。

勉強ができないことに、みじめな思いや、卑屈に思うことは無かった。

絵が下手な人のように。

だから、別に勉強できないことは気にしていなかった。

転機1 やればできる!

ブランコに乗った子供の影

小学校5年生の時

そんな彼が初めて勉強ができないことに焦り、辛さを感じた。

 

 

ある日、100問の漢字テストが行われた。

クラスで彼以外全員が合格。

もちろん国語が苦手、漢字が苦手だった彼は、十何点で不合格。

少し恥ずかしかったが、悔しくは無かった。

自分はそういうものだと思っていたから。

勉強ができなくても日常は進んでいくし、今までもそうだった。

しかし、今回はいつもと違っていた。

「再試験をする」と言われた。

合格点に達するまで何回もと。

生まれて初めての、再試システム。

 

 

一生合格できないと思った。

自分が合格点を取れるイメージなんて全く無かった。

頭の良い人達、勉強のできる人達が到達する世界それが、合格点だとも思っていたから。

 

 

先生からは、『やればできる!』の言葉とともに、初めて勉強の方法についても教わった。

実はテスト範囲すらいつも意識していなかったから。

 

とにかく漢字を書きまくった。

みんな合格している。

次で合格したい!

早く遊びたい!

初めて不合格の恐怖、勉強ができないことへの焦り、辛さを感じた。

 

再試験後、帰りのホームルームでみんなの前で先生からの突然の発表。

彼が100点満点をとったことと、

『やればできる』ということだった。

このときの先生の発言と彼が感じた達成感は彼の人生を変えた。

この先生は小学校5、6年と、彼をとても気にかけてくれた。

感謝しかない。

苦手なこと、できないことも、一度本気で挑戦してみたらできるようになることもある。

転機2 諦めない努力

急ぐ看板

中学では中間試験、期末試験で順位が出る。

基本的に賢くない彼は、『やればできる』をモットーにやっても200人中50〜100位。

頑張っても50位以上にはなかなか上がれなかった。

塾にも通ったが、彼自身自分の欠点がわかってきた。

  • 要領が悪い
  • 頭の回転が遅い
  • なまけ癖がある

それでも、高校は中の上の進学校に行けた。

高校では、自分の欠点対策を考えた。

  • 要領が悪い→納得し理解しないと次に進めない性格が原因だとわかった。ならば人よりも早くスタートして人より多くの時間を費やせば良い。
  • 頭の回転が遅い→昔から計算が遅い、読むのが遅いなど能力の低さがあり、改善は難しかった。集中力を上げるトレーニングをした。
  • なまけ癖→勉強に対するネガティブな考え方を変えた。苦手なものを楽しいと感じるようにし、できないことができたら思い切り喜ぶ。諦めず常に考え方をプラスにし、それを習慣にする。やりたい、知りたいから勉強をする考え方に。

中でも考え方をプラスに変えることは、勉強だけでなく、運動に関しても成功・達成につなげてくれた。

 

高校2年生の時

薬学部を希望していた人はたくさんいた。

もちろん彼よりも勉強のできる人がたくさんいた。

しかし、実際薬学部を受験したのは、学年で2人だけ。

一人は学年トップクラスの人で、推薦入試だった。

彼は諦めず薬学部を目指して勉強した。

最後の模試でも判定は下から2番目(D判定とか)だったのに。

 

高校2年生のときの担任が、

『お前は受かる。諦めずに目標に向かって勉強し続けろ。』

と言ってくれた。

この先生も彼をずっと気にかけていてくれた。

その先生は、彼が高校3年生のときに他界してしまった。

そんなこともあり、その先生の言葉が強く残り、彼は薬学部を受けれるだけ受験した。10回以上は受けただろう。

そして、薬学部に受かった。

諦めずに受かるまで努力した。

ちゃんと欠点対策を実行し、自分の納得行く勉強方法で焦らずゆっくり、でも確実に理解する自分にあった方法で。

ひたすら続けれるように、自分にあった諦めない方法・考え方を固める
努力を継続するのではなく、継続をできるよう努力する

転機3 圧倒的努力!

自然を感じる女性

大学生活では、

やっぱり基本勉強ができない彼。

  • 要領が悪いから勉強に時間をかけなければいけない。
  • どうせやるなら楽しく、自分のために勉強したい。
  • なまけ癖は悪化。出席数がギリギリ。勉強からは逃げる日々。

そしたら、4年間すべての試験勉強を納得いく形でこなしていくことが自分には不可能であると判明。

大学を卒業して、薬剤師国家試験に合格すれば、過程どうでも良いと判断した。

捨て科目は、神の目を使ってクリア。

薬剤師国家試験に繋がりそうな科目は、本試験、追試、追追試まで計画に入れ、拾う科目、落とす科目をしっかり決めて、1つ1つしっかり勉強した。

常に1つでも単位を落としたら留年という、恐怖ととなり合わせだった。

本試験、追試、追追試までギリギリまで割り振らなきゃいけないのは、勉強に時間をかけなければ頭に入らない要領の悪さと、どうせやるなら楽しくしっかり学びたいという考え方からだ。

 

薬剤師国家試験は絶対に落とせない。

最後の1年は死ぬ気で、朝から晩まで勉強しようと決めた。

人よりも出来が悪いのは彼自身が一番知っていたからだ。

ひと目をさけて、誰よりも早い時期から基礎からしっかり勉強した。

ひと目をさけたのは、周りが影響されて勉強を始めるのが怖かったからだ。

継続する努力は負けない。

周りが遊んでいると安心した。

ハンデをもらっている感じがしたからだ。

しかし、彼は大学でも下の一番下のクラス。油断はしない。

夏になりみんな本気を出してきた。

誰もが、過去問をたくさん解く勉強法だった。

要領が良い人はそれで成績をぐんぐん上げてきた。

彼は基礎からの応用。まず基礎をしっかり固めて段階的にしっかり勉強する方法。わからなくなったら戻る。

しかし、模試の判定は最後まで、下から2番目(D判定)。

焦ってもしょうがない。

それでも勉強スタイルを変えず継続した。

薬剤師国家試験当日

傾向が少し変わり、過去問を中心に解いていた人たちは割と落ちていった。

当日、過去1の集中力も発揮され、無事合格。

しかも、わりと高得点で。

薬剤師になってから

タンザニアでの出会い

彼は薬剤師として社会に出ても、『やればできる』精神で頑張り続けている。

薬剤師としてアフリカにボランティアも行った。

海外の医者、看護師、薬剤師と一緒に仕事や食事をした。

小学生の時の彼からは、想像がつかない世界。

考え方をプラスに変えて、常に考えて行動する習慣が彼の世界を変えていった。

 

こんな基本的に賢く無い彼でも薬剤師になると、世間からは賢いイメージつく。

彼が勉強ができなくて馬鹿にされていたことを、勉強ができない子供を持つ親御さんに話しても、程度が違う話として受け止められる。

それぞれの性格からやり方・対策を考え、考え方をプラス変えて、継続できるよう努力し諦めなければ、わりとなんにでもなれるんじゃないかと、私は思う。

 

彼は今、昔から苦手な国語力を鍛えるため、ブログを書いている。

 

勉強には関係ないかもしれないけど、生き方の考えについての記事です↓

タンザニアでの病院体験はこちらから↓

 

 

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とか言いたい30代。
約6年間のドラックストア・調剤薬局経験を通して、化粧品・雑貨・医薬品・食品・店舗マネージメント・在宅医療など、あらゆることを学んできた。すごく大変で、地獄で、ブラック感はあったがやりがいだけでやってこれた。
しかし、ついに仕事(薬剤師)から開放されて好きなことをし自由に生きたくなり、退職。もう二度と薬剤師には戻らないと決意するが・・・

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