彼は普通の高校生だった。
性格は騒がしくもなく、静かでもなく。
少し恥ずかしがり屋で、天然。
面白いことを言うわけではないが、イジられることが多かった。
そんなに嫌がらないし、むしろ喜んでいるようにも見えた。
彼はゆっくり過ごしたい人だった。馬鹿騒ぎもあまりしない。
運動は、小学校からやっていたバスケを続けている。下手ではないが、上手くもなかった。
運動神経は悪くない。
勉強は、中の上の進学校で普通の成績。
本は嫌い。
彼は周りの高校生と同じように、大学受験のため勉強をしていた。
だが、将来なりたいものもこれといってなく、行きたい大学があるわけでもなかった。
彼は英語が極端にできなかった。
センター試験直前に「英文法の『S』って何?」と聞いてくるレベル。
(いったい今まで何を勉強していたんだよ・・・)
彼という人間が少しイメージできてきたでしょうか?
それではここから、
私が彼を尊敬するきっかけで、彼自身の人生を大きく変えることになった『決断』と『挑戦』の話になります。
彼はいきなり高校卒業後、カナダに留学すると言い出した。
なんで?!
英語ができないから。
それと、やりたいことを探しに。
初めての海外は不安だけど・・・
『英語ができないけど、一人で海外に行く』
彼のこの決断はすごい勇気だと思った。
彼の挑戦は始まった。
日本を出たあと、
彼はすごく勉強した。
本もたくさん読んだ。そして人生を変える本にも出会った。
多くのトラブルも経験した。(いきなり入国できなくなるようなトラブルなど)
彼は海外の短大を卒業した。
彼自身の世界は広がっていた。
逃げずに諦めずに挑戦し続けた。
今では英語はペラペラ。
バスケも海外で続けて上手くなり、本もさらに好きになった。
多くのことに興味を持つようになった。
1つの大きな決断でそれに伴ういくつかの行動・経験が、彼をすごく魅力的な人間に変えた。
やりたいことも見つけて来た。
帰国後、彼は時間・お金・場所に縛られずに仕事をしたいと考えていた。
いろんなことに挑戦した。
『挑戦癖』と『決断力』がついていた。
カフェ英会話や個別英会話教室で英語を教えてたりもしていた。
今は、結婚してサロンのコンサルタント・講師・起業スクールの運営などで、全国各地を飛び回り、1年の半分は日本、もう半分は海外で生活している。
世界各地の友達に会いに行ったり、大自然の中で生活したくなり海外に行ったりと。
生まれたばかりの赤ちゃんとともに。
ゆっくり自分のペースで時間・お金・場所にしばられずに仕事をしながら。
やりたいことを実現し、なりたい自分になった。
この話はすごい人の話でもないし、かっこよい人の話でもない。
ただの普通の人が、1回の勇気ある決断をして挑戦して、人生の進む方向が変わっただけの話。
そして彼は諦めなかった。
大なり小なり、挑戦することで人生の流れがそれに応じて変わるってことだけ。
別に、海外に行ったことがすごいんじゃない。
起業したことがすごいんじゃない。
皆さんも大きな決断をすることがあると思う。
行きたい大学や会社・やりたいこと・やらなきゃならないことなど。
レールが引かれていて、挑戦している感覚がないこともあるかもしれない。
現状からみたらレベルが高かく不可能だと思ったり、異なった環境・世界に行くときなど、挑戦するときだ。
そんな時、諦めずに挑戦し続けること。
挑戦した人はきっと多くの失敗・経験を経て、変化していく。
魅力的になっていく。
不安を抱えながらも、それでも挑戦する決断をした人、諦めず続けた人が、
すごいと思えるし、かっこよく見える。
そんな風に見えるのは決して私だけではないはずだ。